謙譲の美学

浜松市北区細江町気賀の大村屋酒店です

2007年10月10日 09:49

「謙譲の美」って言葉・・知ってます??

奥ゆかしさ、って言ったらいいのかなぁ。謙遜だとか、日本人の持つ隠れた美学、どんなに優秀であっても「いえいえ・・・私なんか」という謙譲の美。

一歩退いた立ち位置からの・・控えめな発言、行動・・みたいな、まあ日本人独特の美意識ってありますよねぇ。

本当にすばらしいモノであっても「これ・・つまらないものなんですが・・」というような奥ゆかしさ・・・

昨日の夕方・・息子と娘がたまたま店内にいたのです。

そこへ・・先日行われた「町民体育大会」のリレーの小学生低学年女子の代表になった女の子のおばあちゃんがお買い物に来てくれたんです。

トシヤを見つけ、「トシヤ君、リレーがんばったわねぇ」と言われました。

その場にいた私と妻・・「ダメダメ、うちのトシヤが足引っ張ったようなもん。他の選手に迷惑かけただけ。」と返事をした。

さらに私が・・「せっかく・・○ちゃんが2位できたのに、うちのトシヤが・・遅いから」

さてお買い物が済んで・・そのお客様はお店をあとにしました。

すると・・そのやりとりを聞いていたトシヤ

「お父さん、お母さん・・おれ・・・リレー遅かった?なんであんな言い方するの?」

「トシヤ・・そうじゃなくて、あれは謙譲の美なの。トシヤがよくがんばったの、お父さんもお母さんも一番知っている。でもねぇ・・他人の前で『うちのトシヤはよくがんばった。うちのトシヤは早かった』なんて言ったら・・ただの親ばかで自慢にしか聞こえないでしょ?」

トシヤ・・解ったのか・・・解らないのか・・なんかあんまりよく解らなかったような顔で「でも・・おれ・・けっこう・・早かったよ」

私と妻・・「うん、トシヤががんばったのは本当によく解る。あれは他の人には、わざとああいう言い方をするの。だってそのかわり・・うちの中では・・トシヤのこと、すごい褒めているでしょ?」

「ふーん」とトシヤ。 

小学3年生には・・「謙譲の美」というものは・・難しいと思います。

でも・・ドウなんだろ???

こういう・・謙譲の美って・・もう・・今の世の中では使われないのかなぁ・・

そりゃあ・・・親として・・トシヤの活躍、リレーの代表選手に選ばれたことって自慢したいけど・・でもあからさまに自慢はできないよねぇ・・

それが・・「いえいえ、うちの息子が足を引っ張ったようなもので・・」という発言。

でもトシヤにとっては・・

「なんで・・おれ・・頑張ったのに・・そんな言い方するの?」

と、感じたのかもしれませんねぇ。

今・・「謙譲の美」という意識って希薄になっているのかなぁ・・